まりん

うちにはネコが3匹いる。21歳、最年長のタカは、1年前から闘病生活を続けている。もうだめか、という時を何度も乗り越え、現在に至っている。彼女の生命力をなんと表現したらいいのか、いつも圧倒され、「力」を分けてもらっている。
そんなとき、まりんの様子がおかしくなった。彼は18歳。十分高齢だと言われている。朝から食べなくなって、医者に行ったら、腎臓が最悪だという。即入院。翌日は家に連れて帰ってきたが、どんどん元気がなくなって、暗い片隅に引っ込んでじっとしている。命の終わりとは、どうしても思いたくないので、毎日医者に通って点滴を打ってもらった。けれど、1週間目の明け方、逝った。あっけないな。穏やかな顔がせめてもの救いだった。ぬくもりが残っていた背中をなでながらルイセンがゆるんで止まらない。
「ネロ」という詩を唐突に思い出した。犬のことをうたった谷川俊太郎の詩。しみじみ読み返してみると、いかにも若いころに書かれた詩だ、と思った。

ネロ
お前は死んだ
誰にも知られないようにひとりで遠くへ行って
お前の声
お前の感触
お前の気持までもが
今はっきりと僕の前によみがえる

しかしネロ
もうじき又夏がやってくる
新しい無限に広い夏がやってくる
そして
僕はやっぱり歩いてゆくだろう
新しい夏をむかえ 秋をむかえ 冬をむかえ
春をむかえ 更に新しい夏を期待して
すべての新しいことを知るために
そして
すべての僕の質問に自ら答えるために


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